元末群像異史 紅嵐記(上)

著:藤 水名子
定価:660円(本体600円)

フビライ・ハーンの近衛兵を祖父にもつバヤン家のサカルは、騎馬にも狩りにも興味がない。料理人を志して出奔した彼は、荒くれ者だが人を惹きつける青年、張士誠(ちょうしせい)と出会う。その時代、皇帝を凌ぐ権力者バヤンは漢人を徹底的に弾圧し、危うい空気が世を覆っていた……。動乱期の元末を舞台に描く長編歴史小説。


元朝末期、動乱の時代が幕を開ける
誇り高き蒼狼の裔(えい)サカルは旅立つ料理人を夢見て――
中国歴史長編小説

フビライ・ハーンの近衛兵を祖父にもつバヤン家のサカルは、騎馬にも狩りにも興味がない。料理人を志して出奔した彼は、荒くれ者だが人を惹きつける青年、張士誠(ちょうしせい)と出会う。その時代、皇帝を凌ぐ権力者バヤンは漢人を徹底的に弾圧し、危うい空気が世を覆っていた……。動乱期の元末を舞台に描く長編歴史小説。

蒼狼の裔/夏の都/急変/酔蟹/叛乱前夜
自ら調理したものをひと口食べた瞬間、サカルは感動のあまり涙した。(中略)この世には、もっともっと美味しいものがある。ならば、この世の食を、極めたい。美味しいものを、極め尽くしたい。我が手でそういうものを作り出したい。ほんの数日前までは絵空事の幻にすぎなかった夢が、にわかに具体性をもってサカルの前に現れた。――<本文より>

※本書は文庫化にあたり上中下巻の3分冊に再構成した上巻です

元末群像異史 紅嵐記(上)

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