今夜はひとりぼっちかい? 日本文学盛衰史 戦後文学篇

著:高橋 源一郎
定価:2,200円(本体2,000円)

文学史そのものを小説にする「日本文学盛衰史」の次なるテーマは「戦後文学」。誰にも読まれなくなった難物を、ロックンロールやパンク、ラップにのせ、ブログやtwitter、YouTubeまで使って揉みほぐす。そんなある日、タカハシさんは「戦災」に遭う……。


「文学なんてもうありませんよ」

文学史そのものを小説にする「日本文学盛衰史」の次なるテーマは「戦後文学」。誰にも読まれなくなった難物を、ロックンロールやパンク、ラップにのせ、ブログやtwitter、YouTubeまで使って揉みほぐす。そんなある日、タカハシさんは「戦災」に遭う……。

オオオカ きみは死んだ。ぼくも死んだ。幸いなことに、ぼくもきみも全集は出版された。けれど、いまや、ぼくたちの読者も少ない。というか、文学そのものが風前の灯だ。

コバヤシ わかった。テレビに駆逐されたんだろう。待てよ、マンガかな。SF……ミステリー……あと、何があったっけ。

オオオカ 違うんだ、こばやし。パソコンと携帯電話だよ、文学を滅ぼそうとしているのは。

コバヤシ わけがわからん。ぱそこんに電話? それと文学にどんな関係があるの。

オオオカ アップルがマッキントッシュを発売したのが、きみが亡くなった翌年だものね。きみに理解できないのも無理はない。だが、そんな説明をする必要はあるまい。こばやし。

コバヤシ なに?

オオオカ もう、本は売れんぞ。

――「twitter上にて・続」より

©Genichiro Takahashi

今夜はひとりぼっちかい? 日本文学盛衰史 戦後文学篇

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