冤罪法廷 特捜検察の落日

著:魚住 昭
定価:1,320円(本体1,200円)

2009年6月、郵便不正事件に関連して、厚労省のエリート女性局長が虚偽有印公文書作成・同行使容疑で逮捕された。「あなたがウソをついているか、ほかの全員がウソをついているかのどちらかだ」完璧なまでに整えられた検察ストーリー。すべての関係者証言は彼女の犯行を指し示していた。日本の裁判は有罪率99.9%。絶対不利の法廷に、「無罪請負人」で知られる百戦錬磨の弁護士が立ち上がった。


法廷で裁かれたのは被告人の「起訴事実」ではなく、検察の「不当捜査」だった――

09年6月、郵便不正事件に関連して、厚生労働省の村木厚子局長が虚偽有印公文書作成・同行使容疑で逮捕された。
検事調書ではすべての関係者の証言が彼女の犯行を指し示すなか、「無罪請負人」で知られる百戦錬磨の弁護士が立ち上がった。
日本の裁判は有罪率99・9%。絶対不利の法廷で、前代未聞の大救出作戦がいま始まる! 
ベストセラー『特捜検察の闇』の著者が、「最強の捜査機関」の病理を徹底的に描くリーガルドキュメント。

●本文から
日本の検察ほど強大な権限を持つ国家機関は世界でも例がない。検察本来の役割は警察の捜査をチェックして裁判にかけることだが、
日本の特捜部は独自捜査して、外部のチェックも受けずに被疑者を起訴している。これではサッカーの審判がプレーヤーを兼ねるようなものだ。
彼らはオフサイドもファウルもなんでもありの一方的なゲームをしているのではないか。

【目次】
第1章 無罪請負人・弘中惇一郎/第2章 特捜ストーリーの完成/第3章 崩れ始めたシナリオ/第4章 特捜検察の誕生/
第5章 上村元係長の告白/第6章 決定打/第7章 裁判官の詰問/終章 村木厚子の“告発”

【著者略歴】
魚住 昭(うおずみ・あきら)
1951年熊本県生まれ。75年一橋大学法学部卒業後、共同通信社に入社。
『沈黙のファイル―「瀬島龍三」とは何だったのか』(新潮文庫)で、日本推理作家協会賞(評論部門)を受賞。
96年退社後、2004年『野中広務 差別と権力』(講談社文庫)で、講談社ノンフィクション賞受賞。
著書に『渡邉恒雄 メディアと権力』(講談社文庫)、『特捜検察の闇』(文春文庫)、『特捜検察』(岩波新書)など

冤罪法廷 特捜検察の落日

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