新書ヨーロッパ史 中世篇

著・編:堀越 孝一
定価:924円(本体840円)

<中世>とは何か?
政治と宗教、都市と国家、歴史と文明……
「対立と連帯」のヨーロッパ史を読み直す

中世人の眼を通して――1991年の「マーストリヒト協定」によって「ヨーロッパ連合」が始動した。おもしろいことに、マーストリヒトのすぐ北のマース左岸にメールセンという小さな町がある。870年、この町で、「フランク王国」の分解を決定づける協定が結ばれた。(中略)以後、ヨーロッパは「個別国家」の集合体としての歴史を歩み、一千年を経て、いまふたたび「フランク王国」へ回帰しようとしているという理解がある。(中略)もちろん「メールセン協定」によって成立したとされる「西フランク王国」がそのまま「フランス王国」に、ましてや「東フランク王国」が「ドイツ王国」に接続したわけではなく、そういう説明の仕方はたぶんに大づかみにものをいってのことだが、しかし、その大づかみのものをいう、そのいわばつかみ方にやはり問題があると思う。わたしがいうのは、そこにいう「個別国家」というのは、ほぼ16世紀のころから形を整え始める「近代国家」を念頭に置いているのではないか。――(本書より)

新書ヨーロッパ史 中世篇

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