道元入門-生の充実を求めるために
人は何によって生きればいいのか。自分とはいかなるもので、悟りとは、禅とは、修行とはどういうことなのか。道元はこうした疑問に正面から取りくんだ宗教史上に屹立する大思想家である。この偉大なる覚者の凝縮された珠玉の言葉を軸に、生涯と思想を的確に解説した本書は、道元思想への絶好の手引書である。
〈生の充実を求めるひとに〉 父母も兄弟姉妹も、師も友も、夫も妻も、恋人も、そして神や仏でさえも、頼りにならない。自分以外のものを信ずるほど、はかないことはないのです。結局、人生は孤独です。社会であれ、他人であれ、ひっきょう外に向かって忿懣をぶちまけて、それですんでいる間はいいのですが、やがてその眼が内に向けられて、肝心のこの自己がいちばん頼りにならないと分ったとき、人はどうすればいいのでしょうか。そうしたうちの幾人かは道元の名を聞き、宗教哲学の古典『正法眼蔵』を読もうと思い立つでしょう。本書は、そうした「本当の自己」を求める多くの人々に読んでほしいのです。――著者のことば
求道の姿勢を描き出す感銘の一書
いま読んでいる秋月龍みん氏の『道元入門』は素晴しい。「正法眼蔵」を理解していく踏み台として、まことに適切な書だと思う。禅宗だとか、曹洞宗だとかでなく、仏法の正伝ということに、道元禅師がどれほど徹底して正法眼蔵を説かれたか。この眼目を見事におさえて解説され秋月氏の筆には快い精気が感じられる。――中外日報・編集手帖から(本書より)
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