お菓子の家の魔女

著:宇能 鴻一郎 装丁:原 弘 装画:金子 國義
定価:528円(本体480円)

芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランの、妖美異色の伝奇趣味溢れる短編集ーー妻がお菓子を焼いている間に、男はその会に出席したのだった。4人の驕慢な女性たちの白いお尻が、タイツからハート型に露出して輝いている。男は苦しかった。全く自由を奪われて肉体をもてあそばれているのは、えもいえず快よい。(「お菓子の家の魔女」)…鞍馬の山に鬼が出た、という噂が京にひろまった。雪が消えて炭焼小屋に戻ってきた木こりが、小屋の中に恐ろしいものを見た。髪も髯もぼうぼうとのばしたすさまじい男が、人間らしいものをしっかとかかえこみ、股からむさぼり喰っていた、というのである。(「姫君を喰う話」)…など4編。

お菓子の家の魔女

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