ワイルド・スワン 上下巻合本版
ワイルドスワンジョウゲカンガッポンバン
- 電子のみ

内容紹介
15歳で著者の祖母は軍閥将軍の妾になる。中国全土で軍閥が勢力をぶつけあう1924年のことであった。続く満州国の成立。直前に生まれた母は、新しい支配者日本の過酷な占領政策を体験する。戦後、夫とともに共産党で昇進する母。そして中華人民共和国の成立後、反革命鎮圧運動の只中で著者は誕生する。
目次
- 日本のみなさんへ
- 二〇〇七年新版によせて
- 第一章 「三寸金蓮」──軍閥将軍の妾
- 第二章 「ただの水だって、おいしいわ」──夏先生との再婚
- 第三章 「満州よいとこ、よいお国」──日本占領下の暮らし
- 第四章 「国なき隷属の民」──さまざまな支配者のもとで
- 第五章 「米十キロで、娘売ります」──新生中国への苦闘
- 第六章 「恋を語りあう」──革命的結婚
- 第七章 「五つの峠を越えて」──母の長征
- 第八章 「故郷に錦を飾る」──家族と匪賊の待つ四川省へ
- 第九章 「主人が高い地位につけば、鶏や犬まで天に昇る」──清廉潔白すぎる男
- 第十章 「苦難が君を本物の党員にする」──母にかけられた嫌疑
- 第十一章 「反右以降、口を開く者なし」──沈黙する中国
- 第十二章 「米がなくても飯は炊ける」──大飢饉
- 第十三章 「だいじなだいじなお嬢ちゃん」──特権という名の繭の中で
- 第十四章 「父よりも、母よりも、毛主席が好きです」──毛沢東崇拝
- 第十五章 「まず破壊せよ、建設はそこから生まれる」
- 第十六章 「天をおそれず、地をおそれず」
- 第十七章 「子供たちを『黒五類』にするのですか?」
- 第十八章 「すばらしいニュース」
- 第十九章 「罪を加えんと欲するに、何ぞ辞無きを患えんや」
- 第二十章 「魂は売らない」
- 第二十一章 「雪中に炭を送る」
- 第二十二章 「思想改造」
- 第二十三章 「読めば読むほど愚かになる」
- 第二十四章 「どうか、ぼくの謝罪を聞いてください」
- 第二十五章 「かぐわしい風」
- 第二十六章 「外国人の屁を嗅いで芳香と言うに等しい」
- 第二十七章 「これを天国と呼ぶなら、何を地獄と言うのか」
- 第二十八章 翼をこの手に
- エピローグ
- 訳者あとがき
- 年譜