紫式部日記全訳注 合本版
ムラサキシキブニッキゼンヤクチュウ
- 電子のみ

内容紹介
『源氏物語』の作者、紫式部の綴った宮仕え日記は、平安朝宮廷社会を克明に描写した貴重な風俗資料である。安産を願う加持祈祷、若宮誕生、初孫に目を細める道長。そして、御湯殿の儀式、豪奢華麗な御産養(うぶやしない)、一条天皇の土御門第への行幸など次々と繰り広げられる祝儀や賀宴。親王誕生の慶びに沸く御堂関白家の様子を、中宮彰子に仕えた式部が伝える注目すべき日記の全訳注。
『源氏物語』の作者、紫式部の綴った宮仕え日記は、平安朝宮廷社会を克明に描写した貴重な風俗資料である。安産を願う加持祈祷、若宮誕生、初孫に目を細める道長。そして、御湯殿の儀式、豪奢華麗な御産養(うぶやしない)、一条天皇の土御門第への行幸など次々と繰り広げられる祝儀や賀宴。敦成(あつひら)親王の誕生を中心に御堂関白家の繁栄を描く本書は、最盛期の平安朝宮廷の生活絵巻であり、作者の複雑な心境が吐露される貴重な文献でもある。紫式部は自己を冷厳に凝視し、憂愁に満ちた内面を語り、また、道長との歌の贈答、中宮彰子への新楽府御進講、和泉式部や清少納言などに対する辛口の批評も載せる。多彩な内容を盛り込む特異な日記を丁寧に読み解く。
親王誕生の慶びに沸く御堂関白家の様子を、中宮彰子に仕えた式部が伝える注目すべき日記の全訳注。
目次
- 紫式部日記(上)
- まえがき
- 凡 例
- 一 秋のけはひ入り立つままに ──冒頭・秋色増す土御門殿の風趣──
- 二 まだ夜ぶかきほどの月さしくもり ──五壇の御修法の荘厳さ──
- 三 渡殿の戸口の局に見いだせば ──道長との女郎花の歌の贈答──
- 四 しめやかなる夕暮に ──殿の三位の君のすばらしさ──
- 五 播磨の守、碁の負わざしける日 ──洲浜の装飾台に書かれた歌──
- 六 八月廿余日のほどよりは ──宿直の人々の管弦の遊び──
- 七 廿六日、御薫物あはせはてて ──弁の宰相の昼寝姿──
- 八 九日、菊の綿を ──殿の上への返歌──
- 九 その夜さり、御前にまゐりたれば ──薫物の試みなど、御前の様子──
- 一〇 十日の、まだほのぼのとするに ──盛んな加持祈祷の様子──
- 一一 十一日の暁に、北の御障子、二間はなちて ──続く加持祈祷と人々の様子──
- 一二 御いただきの御髪おろしたてまつり ──中宮安産・若宮誕生──
- 一三 午の時に、空晴れて ──主家の人々の安堵と慶び──
- 一四 例の、渡殿より見やれば ──殿と近侍の人々の満足げな様子──
- 一五 内裏より御佩刀もてまゐれる ──若宮の守り刀、朝廷より下賜──
- 一六 御湯殿は酉の時とか ──御湯殿の儀式──
- 一七 よろづの物くもりなく ──御前の女房たちの服装──
- 一八 三日にならせたまふ夜は ──誕生三日目の御産養──
- 一九 五日の夜は、殿の御産養 ──五日目、道長主催の御産養──
- 二〇 またの夜、月いとおもしろく ──若い女房たちの舟遊び──
- 二一 七日の夜は、おほやけの御産養 ──朝廷主催の御産養──
- 二二 九日の夜は、春宮の権の大夫 ──頼通主催の御産養──
- 二三 十月十余日までも ──初孫を得た道長の満悦ぶり──
- 二四 行幸近くなりぬとて ──華麗の中での憂苦の念──
- 二五 小少将の君の、文おこせたる ──時雨の歌の贈答──
- 二六 その日、あたらしく造られたる船ども ──行幸を迎えた土御門殿──
- 二七 御簾の中を見わたせば ──この日、奉仕する女房たち──
- 二八 暮れゆくままに、楽どもいとおもしろし ──御前の管弦の遊宴──
- 二九 またの朝に、内裏の御使 ──行幸の翌日の御前──
- 三〇 暮れて月いとおもしろきに ──局を訪れる宰相たち──
- 三一 御五十日は霜月のついたちの日 ──誕生五十日目の祝儀―他―
製品情報
製品名 | 紫式部日記全訳注 合本版 |
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著者名 | 著:宮崎莊平 |