戦争の影がせまる昭和10年代、横須賀にある「天国」のような塚山公園は、最高の遊び場だった。違う地域に住む少年たちは「天国」を巡り敵対していたが、めんこ対決をきっかけに、ひとつの目的に向かって走り始める。それは、大ブームだった一銭飛行機をみんなでつくること。しかも「ヒトの乗れる一銭飛行機をつくろうぜ!」というものだ。子どもたちの「遊び」が文と絵で甦り、戦争についても考えさせられる自伝的名作。
戦争の影がせまる昭和10年代、横須賀にある「天国」のような塚山公園は、「按針塚」と呼ばれる、子どもたちの最高の遊び場だった。さくらの明所でもあり、軍港を見下ろす風景も素晴らしい。公園をはさみちょうど逆の地域「柿の谷」と「西吉倉」で、それぞれに住む少年たちは、この「天国」を巡り敵対していた。そしてがき大将を中心とし、その敵対は海洋少年団で学んだ知識を生かした「戦いごっこ」に発展する。
しかし盛大なるめんこ対決をきっかけに、「柿の谷」と「西吉倉」は一気に仲間となる。そしてひとつの目的に向かって走り始める。それは、大ブームだった一銭飛行機をみんなでつくること。しかも「ヒトの乗れる一銭飛行機をつくろうぜ!」というものだ。
大きな飛行機どころか、人が乗る飛行機? 小学生が作るころができるのか、それは飛ぶのか、誰が乗るのか――?
子どもたちの「遊び」が佐藤さとるの文と村上勉の絵で甦り、リアルな遊びの技術も再現。戦争についても深く考えさせられる自伝的名作。
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