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神曲 地獄篇
シンキョクジゴクヘン

『神曲』には、訳の古さ、原典の曖昧さ、訳語選択の問題など、それぞれに難点がある。しかし本訳は評価の高いペトロツキ版(1968年刊)を訳出の軸として、原典に忠実でありながら、平明な訳文を実現。訳注は、当該の見開き内に収め、読み易く編集。訳注、各歌解説には、世界的ダンテ学者として名高い故ジョルジョ・パドアンに師事した訳者が、『神曲』研究の最先端の成果を盛り込んだ。ダンテ『神曲』の訳本の決定版です。
イタリアの生んだ最高の詩人ダンテが14世紀初めに著した『神曲』は「地獄篇」「煉獄篇」「天国篇」の3篇からなり、さらに各篇は33歌からなりますが、「地獄篇」冒頭に置かれた三篇の全体の序歌を加えれば、合計100歌となります。詩型は三行一連で全体では1万4233行におよび、文学、美術、現実の政治等に多大な影響を与えた、キリスト教文学の最高峰とされる叙事詩です。
主題は生身の存在であるダンテが、地獄、煉獄、天国の三界、すなわち彼岸の世界を遍歴した末に、ついには神との出会いを果たすというところにあり、歴史的事実を死後の世界に投影した詩を通じて、人類に正しい道を指し示そうとした作品です。
『神曲』には主だったものだけを挙げても、すでに山川丙三郎(岩波書店)、平川祐弘(河出書房)、寿岳文章(集英社)らによる邦訳がありますが、あるものは翻訳の底本が不分明であったり、訳文が現代の読者には難解すぎたり、文章の流れに重きを置きすぎるがために原典に忠実でなかったり、キリスト教世界を描くのに仏教用語を多用して違和感を与えたりと、それぞれに難点がある。これらを克服するために、本訳ではテクストの安定性や信頼性で評価の高いペトロツキ版(1968年刊)を訳出の軸として、原典に忠実でありながら、平明な表現を心がけました。加えて読者の便宜を考慮し、訳注は可能な限り、当該の見開き内に収めました。訳注、各歌解説には、世界的ダンテ学者として名高い故ジョルジョ・パドアンに師事した訳者、『神曲』研究の最先端の成果を盛り込んでいます。
ダンテ『神曲』の訳本の決定版です。
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目次
「地獄篇」を読む前に
『神曲』「地獄篇」
(第1歌~第34歌)
各歌解説
訳者解説 新訳刊行にあたって
【内容】
古代詩人ウェルギリウスに導かれて巡る地獄
地獄では生前に悪をなした者達が、神による過酷きわまる制裁を受けていた。責め苛まれている者の中にはなんと教皇、聖職者、ダンテの政敵らの姿もあった。
書誌情報
紙版
発売日
2014年06月11日
ISBN
9784062922425
判型
A6
価格
定価:2,398円(本体2,180円)
通巻番号
2242
ページ数
640ページ
シリーズ
講談社学術文庫
電子版
発売日
2014年07月25日
JDCN
0629224200100011000U
初出
底本には、ジョルジョ・ペトロッキの校訂本(レッテレ社、1994年。なお、これはモンダドーリ社、1966―67年の再版)を使用した。
著者紹介
ダンテ・アリギエリ 1265~1321。フィレンツェ出身の詩人、哲学者。ウェルギリウスと並ぶイタリア最大の詩人。本作以外に詩集『新生(La nouva vita)』がある。
訳・解説: 原 基晶(ハラ モトアキ)
1967年生まれ。東京外国語大学外国語学部イタリア語学科卒業。同大学院博士前期課程修了。イタリア政府給費留学生。東京学芸大学、お茶の水女子大学講師などを歴任。 現在、東海大学専任講師。 専攻は、イタリア文学、中世ルネサンス文化。