世界中に衝撃を与えた「パナマ文書」。だが、そこで暴露された内容も、超富裕層の税金逃れの実態の、ほんの一部分にすぎない。タックス・ヘイブン、秘密口座・・・「パナマ文書」をも上回る、巧妙で驚くべき手口とは? 衝撃の事実が明らかに!!
世界中に衝撃を与えた「パナマ文書」。だが、そこで暴露された内容も、超富裕層の税金逃れの実態の、ほんの一部分にすぎない。タックス・ヘイブン、秘密口座・・・「パナマ文書」をも上回る驚くべき手口とは? 衝撃の事実が明らかに!
税金は、誰でも払いたくはないものです。しかし、税金という財源がなければ、当然のことながら国家は立ち行かなくなります。道路などの社会インフラの整備から、警察、消防、国防に至るまで、国が担当する職務はすべて税金によってまかなわれているのですから。したがって、誰がどの程度までこの負担をするのか、その公平、公正さが長い間議論されてきました。少なくとも民主主義国家における負担の大原則として、金持ちも貧乏人も完全に同額を支払うのではなく、金持ちは金持ちなりに、貧乏人は貧乏人なりに相応の金額を支払うことが基本的なルールとされてきました。ところが最近、様々ないわゆる「改革」なるものによってこの前提が崩れています。あからさまな富裕層、大企業優遇の流れができているのです。
さらには、グローバル企業の中には、各国間の税制のズレを利用して、どこの国にも税金を払っていないものが数多く存在しています。タックス・ヘイブンにトンネル会社を作り、それらを幾つも経由した複雑なスキームを組めば、どこにも税金を払わないでも済むのです。もちろん、これは違法ではありません。「脱税」ではなく、単なる「税金逃れ」であり、ムダな支出を避けるという純粋な企業の論理として行っていることで、何らやましいことはない、というのがそういった企業の言い分です。しかしそうした企業も、その国その国において、国が整備したインフラを利用しているわけです。それも、おそらくは一般の国民などよりはずっと大規模に。つまり彼等は、国というシステムに「ただ乗り」しているのです。そのために、現在、国際協調によってさまざまな是正策が着手され始めています。例えば厳密な秘密主義を誇っていたスイスの銀行も、国際的なプレッシャーにより、今や口座名義の公開を余儀なくされています。またトービン税の導入により電子金融取引に薄く課税し、そのことによって過剰な取引を抑制しようという動きも始まっています。本書では、富裕層、グローバル企業によるさまざまな税金逃れの手口を紹介しながら、今後のあるべき税の形について考察してゆきます。
+ もっとみる