開国を迫るロシア使節プチャーチンに一歩もひるむことなく幕末の日本を守った男がいた。軽輩の身から勘定奉行にまで登りつめ、自らを厳しく律して日露和親条約を締結する。軍事・経済・外交のいずれも劣るわが国を聡明さと誠実さで激動の時代から救った誇り高き幕吏の豊かな人間性を鮮やかに描く歴史長編。