悩ましき恋の行方、いずこへ――。
メロヴェを伴って久しぶりに自分の部族へ戻ったクィントゥス。ユリウスはクィンの一途さに一抹の不安が過る。
ローマに古の言い伝えがある。――神は人を男女同体につくった。その後、神の怒りに触れ男と女に引き裂いた。つまり人間は離れ離れになった自分の半身を探さずにはいられない。それが宿命。それが恋。
ユリウスの口から語られた伝説にメロヴェは思う。「私の半身も、ゲルマーニアのどこかにいるんだろうか」と。そして悩む。「私はクィントゥスにふさわしいのか」と。陰謀、復讐、裏切り。フランク族の統一はなるのか!?
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