2002年以降からGACKTが手掛けてきた物語『MOON SAGA』。自ら書き下ろした脚本、自らの演出の元、主人公である義経を演じるGACKT。2012年に行われた舞台『MOON SAGA 義経秘伝』の全国4大都市(東京、名古屋、大阪、福岡)公演では、述べ5万人を動員した。そして2014年8月、第二章としてまた新たな義経秘伝が生まれることに……。そんな注目の舞台の原作ともなった小説が登場する。
2012年に全国4大都市(東京、名古屋、大阪、福岡)にて公演され、述べ5万人を動員した舞台『MOON SAGA-義経秘伝-』。2014年8月には、第二章が公演される。
原作・脚本・演出・主演・音楽をGACKT自身が務め、オールプロデュースということでも話題の作品だ。
本書は、舞台『MOON SAGA-義経秘伝-』の原作となった小説。GACKTが描く、彼ならではの世界観が味わえる新たな義経ストーリーが生まれた。
Introduction
古くより、物ノ怪と人間は共存して来た。
人間にはない『異能力』を持つ物ノ怪を、人は崇め、時に恐れながら、長い間、『神』と人とのような関係を保ってきた。
だが、この物ノ怪達と交わり、その血と能力を受け継ぐ人の姿をした者達がやがて現れる。
その者達は、『人に非ざる者』という意味から、『者ノ不』と呼ばれるようになった。
者ノ不は次第にその数を増し、特殊な『チカラ』で人間を統治し始める。
長い年月と共に彼らは各地で勢力を拡大し、そして争いはやがて大きな戦に発展していった。
刻は平安時代後期。『者ノ不』が人間を統治する時代。
者ノ不が持つ『チカラ』は、彼らの存在する数だけその類を見せた。
その『チカラ』は、瞬間的に怪力を出す者、人の心を操る者―火や水と戯れる者、
その『チカラ』を封じ込める者、水の上を歩く者、宙を舞う者までいたという。
これは、者ノ不として生まれた彼らの、短くも、深く儚い友情を描いた『者ノ不』達の物語である。
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