時代の変動期はつねに思想の変動期であると、よく言われます。経済危機が個人に苦しい選択を強いていることは事実ですが、しかしまちがいなく変動期である今は、新しい思想が生まれるチャンスの時代であると言えます。ノウハウだけで生き抜くことはできません。この時代に対応するには、表層のデータを更新することよりも、そのデータの前提を疑うことが必要ではないか。今までとはちがう勉強が必要なのではないか。そんな思いで講談社BIZ編集部は、この変わったスタイルの本を作りました。
サブタイトルの「コナンドラム」とは、一般に「謎」「なぞなぞ」という意味なのですが、アラン・グリーンスパンがFRB議長時代に従来の金融政策では説明できない市場の異変を喩えて使いました。今回のテーマは、「世界経済の『謎』を解く」です。
アメリカの金融危機を引き金にして、世界経済は断崖から転がり落ちるように急激に悪化しました。グリーンスパンが2008年の秋に発した「100年に一度の信用のTSUNAMI」という言葉があっという間に独り歩きを始め、各国政府は「100年に一度」の手段を選ばぬオペレーションで、巨額のマネーを金融機関ばかりか一般会社の資本増強にまで注ぎ込んでいます。
しかし、「100年に一度」という新たなグリーンスパン語録に魅了され過ぎて、私たちは必要以上に事態を過大視してはいないでしょうか。結果として経済運営に対する政府の統制を過度に招き入れてはいないでしょうか。第一線の超ハイレベルの議論から常識にとらわれない答えを導き出していただく、エグゼクティブのための日本一の思考力トレーニング・ガイドです!
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