祈り

日本新聞協会賞受賞の心震えるドキュメント！！
待っている……。命ある限り

「試練かもしれないが、めぐみのほうはもっともっとつらい思いをしているに違いない。今も日本の方角の空を見つめて泣いているかもしれない。私たちは救い出します。最後まで、あきらめません」
（横田めぐみさんの母・早紀江さんの言葉＝本文より）

「拉致」――。その言葉には胸が張り裂けそうな悲しみと同時に、強い憤怒を感じる。ある日、突然、何の落ち度もない人間の身柄を拘束し、長期間にわたり自由を奪うこの許し難い国家による犯罪の陰でいったい、どれだけの涙が流されたのだろうか。愛する娘や息子、姉や弟が北朝鮮に拉致された被害者家族と被害者本人の慟哭の涙である。――＜「はじめに」より＞