「冒険というのは、未知の世界に行くことでしょ。」と冷めた声でいうらん子。「みんなには未知の世界の現実が見えていないのよ。それに、お湯がでなくてシャンプーのできない世界なんて、わたしはまっぴらよ。」でもね、それをはるかに上回る興奮が冒険にはあるんだよ。ただし、安全に確実にもどれる保証は、まったくないけどね……。――高校の生物部員6人が、さまよいこんだ3つのアナザーワールド。冒険なき現代に風穴をあける、新人の奇想にみちた冒険文学。