「工人招募」の貼紙に応募してきた吃音の大男が、周囲から愚弄されながらも勇者として認められるまでを描いた1944年芥川賞受賞作「劉廣福(リュウカンフウ)」、苦界に生きる女性とのかかわりに〈私〉の心の彷徨を重ねた戦後の代表作「私のソーニャ」、異母兄との交流を綴った読売文学賞受賞作「風祭」、ほかに文学に纏わる随想など八木義徳の代表的作品を1冊にまとめた名作選。