「近代文学」同人の中にあって、戦後文学を独自の立場で擁護した著者の啓蒙的鴎外論。日本の西欧文学理解に一批判を示し、人間の内面に根ざす視点が捉えた鴎外像は4章で構成。 第1章では鴎外の生涯を詳述、第2章でその文学世界を追求、鴎外の文学観に迫る。第3章では「舞姫」ほか代表的作品17篇を論じ、第4章に文学史的評価を紹介。鴎外文学を総括的に跡づけた絶好の入門書。