「第三の新人」世代に続く、「内向の世代」グループの一人である坂上弘は、「第三の新人」とは違った意味で、生活者の視点から小説世界をつくり上げてきた。文学が特別な社会を対象としたものでなく、日々の暮しのなかでのサラリーマンであり、同人雑誌仲間との交友でありと、一見、平凡な日常のうちに、ニュアンスを含んだ人生を見出す。表題作ほか著者自選の5篇を収録。
枇杷の季節
坂上 弘,岡松 和夫,亀倉 雄策,藤松 博
雪あかり 曽野綾子初期作品集
曽野 綾子,武藤 康史
田園風景
坂上 弘
わが母の記
井上 靖,松原 新一
春・花の下
竹西 寛子,荒川 洋治
千年・あの夏
阿部 昭,松本 道介
駐在刑事 尾根を渡る風
笹本 稜平
猫の目犬の鼻
丹下 健太
夏の吐息
小池 真理子
夢のあと
立原 正秋,武田 勝彦,丹阿弥 丹波子
尼僧とキューピッドの弓
多和田 葉子
冬の椿
芝木 好子,村上 豊