明治44年、蘆花「謀叛論」を一高で演説。与謝野寛「誠之助の死」、佐藤春夫「愚者の死」発表等、大逆事件は大きな衝撃を与え、啄木は思想的変革を来たし、「呼子と口笛」ほかを書き始めた。虚子と碧梧桐の対立。久保田万太郎ら「三田文学」の新人登場。漱石の推薦で、秋声「黴」、長塚節「土」連載。文壇的新たな一様相を端的に描出。次巻第19巻からは、中道に倒れた伊藤整の遺志を旧友瀬沼茂樹が継承、全24巻で完結。