敗戦後の日本、総アメリカ化へ向って一気に転身する渾沌として歪められたその精神構造を鋭く捉え人間存在の根源に迫る。「いきのびることは/なんたるむごいことなのだ」と刻んだ〈焼土の歌〉や〈亡霊の歌〉など韻文と散文とを一体化させ、「No.1航海について」から「No.10えなの唄」までの10章で構成。戦後の金子光晴を決定づけた自伝的傑作詩集。読売文学賞受賞。