深く傾倒した与謝野晶子の短歌をはじめとして、蘇テイの「汾上驚秋」からベルレーヌの「落葉」へと想いを馳せ、白秋、朔太郎、芭蕉、蕪村、白居易、ラディゲ等々、愛誦の古今東西の詩歌を心に浮かぶままとりあげ評釈する。平易、融通無礙に詩歌のエッセンスを説き明かし、著者の美意識と稟質の漲る卓越した“詩歌入門書”。表題作に「童心の世界」を加えた最晩年の円熟の3部作。