『広辞苑』の編者新村出博士の名著と名高い語源探索の書『琅かん記(ろうかんき)』全61編の随筆から、令孫新村徹氏が30余編を選んで「新編」とした。「更紗」「キセル」の語源を尋ねて南蛮の情緒にひたり、「亜刺比亜馬と波斯馬」を語って「魏志」「後漢書」の倭国の記述に始まり、秀吉を経て将軍吉宗の馬匹改良の話に達す。興趣尽きぬ、琅かんの玉にも比すべき随筆集。