万葉から近松・西鶴へ古典を通覧し、人麻呂、世阿弥、芭蕉を日本の“詩の自覚の歴史”の3つの頂点に位置づけ、彼等の美の完成とその源泉の中に、日本文学史のもう1つの道を探り、現代文学の生命力を喚起しようとする。豊かな学識と詩精神で古典と現代の溝を埋め、深い愛しみをこめて現代文学に警鐘を鳴らす著者の、“ライフ・ワーク”「詩の自覚の歴史」の源流となった名著。読売文学賞受賞。