エロ作家と自称する傍観者・峯三郎を小説の目に据え中国文化研究会のメンバー、情人蜜枝、マルクス青年守、桃代、細谷源之助……多彩な登場人物たちの3日間を切りとり、時間の同時性と野太い文体を駆使して貪婪無気味な人間探究を展開。無限の苦悩と憧れの象徴〈中国〉を背景に混沌とした社会の肌を非情な眼で生々しく抉る戦後文学の記念碑的傑作。
風媒花 著者に代わって読者へ