晩秋の気配漂う恵那峡で若い人妻の絞殺体が発見された。被害者の足取りを調べるうちに浮かんだ容疑者は夫。しかし死亡推定時には彼は180キロも離れた長野駅前のホテルにいたらしい。事件の第1発見者が旧知という縁でルポライター浦上伸介はその謎に挑む。表題作のほか7作を収める、旅情推理の傑作集。
水戸の偽証
伊豆の朝凪 米沢着15時27分の死者
仙台の影絵 佐賀着10時16分の死者
逆流の殺意
真夜中の死者
巴里の殺意 ローマ着18時50分の死者
迂回の殺意 伊東着16時27分の死者
山陰の隘路
飛騨の陥穽
東北線殺人事件 久慈・熱海殺人ルート
海峡の暗証
湖畔の殺人
異域の死者 上野着17時40分の死者
能登の密室
横須賀線殺人事件
最上峡殺人事件
寝台急行銀河の殺意
小樽発15時23分の死者
松山着18時15分の死者
人を乗せない急行列車
大阪経由17時10分の死者
寝台特急18時間56分の死角
瀬戸内を渡る死者
紅葉坂殺人事件