京都の茶道家元の妻・直子と、中世芸能史家で劇作家の深津荒太。その運命的な出会いを飾ったのは、清楚な冬の花・水仙の花束だった。箱根湯本の雑木林の中で始まる2人の純粋な愛の日々。真の大人の愛を主題に、死の気配を身近に感じつつ完成に心血を注ぎ、ついに絶筆となった、立原文学最後の華麗な世界。