アメリカ映画は中産階級のモラルや美意識を吸収して成長し、大恐慌以来の不安定な社会情勢を背景に意識的に〈アメリカの夢と神話〉を供給して黄金時代を迎えた。スピードとユーモア、諷刺と暴力、カウボーイと実業家に代表される〈アメリカ流の価値観と生活様式〉が全世界へ波及した。ディズニー、キャプラらの映画から現代の第2の黄金時代まで、アメリカ映画の魅力を余すところなく描いた好著。