「それ算盤(そろばん)をはじくは利である。論語を読むは道徳である。余はこの論語と算盤との2つがあい伴い、あい一致しなければならぬと信ずる……今、後進の青年淑女に対しこの2者の調和平行しなければならぬ理由を説明せんがために、この講義をなしておるのである」と著者は、本講義遂行の意図を明らかにしている。漢学者による語義。語釈中心の論語解釈書の多い中で、本書が最良の実業家の手になる論語講義として異彩を放つ所以である。