微惑星の衝突が水惑星を生んだ……。世界中に衝撃をあたえた松井理論。「暗い太陽のパラドックス」「非均質集積論」「低質量モデル」などの最新キーワードによって、太陽系文明への扉をひらく、新しい“地球学”を提唱する。
異常な事が起こりつつある――日常我々は、地球を意識することなく生きている。我々にかぎらず生命はすべてこの地球から生まれたのであるから、これはある意味で当然のことといえる。地球の営みのなかに組みこまれて人類が生きているかぎり、地球のことなどとりたてて意識する必要はないのが普通である。したがって、現在のように人類が地球のことをことさら強く意識するというのは、何か異常な事態が起こりつつあることを意味する……地球環境問題を考えることは、文明の本質を問うことであり、人間のレゾンデートルを問うことであり、太陽系では生命の住む唯一の惑星である地球の起源と進化を明らかにすることである。地球と人類とのつきあい方を探るには、これらを総合的に論じなければならない。それは、宇宙論的な時空スケールで地球と人類の存在を考えることであり、現代を分析することである。――本書より
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