超大国の礎はどのように築かれたのか?モザイックな植民地時代から、独立革命をへて民主国家の建設、そして資本主義体制への途をひらく、凄絶な南北戦争――。アメリカ創世の物語を骨太に描き出す。 南北戦争の戦利品――リンカン亡きあとの共和党の課題は、南部脱退という、いわばどさくさの非常時に獲得したこれらの戦利品と、戦時権力によって築き上げた党組織を、いかに守り通すかにあった。解放された黒人の処遇は、南部に政治改革を強要する共和党急進派と、戦後連邦に復帰してくる南部白人と、裸一貫で解放された黒人たちとの、三つどもえの戦いの中で決定されることになる。黒人にとってはこれからが正念場であった。――本書より