父をたずねる旅に出た、安寿・厨子王と母は、人買いにだまされ、別れ別れになった。姉弟は、山椒大夫のところへ売られ、毎日つらい仕事をさせられた。父母と会うために、安寿は厨子王を1人で都に逃がした。やがて出世し、国守となった厨子王は、母をさがしに行く。「山椒大夫」をはじめ、「高瀬舟」「堺事件」「金貨」など、森鴎外の名作7編を収録。