セザンヌの苦悩は何か 「輪郭が私から逃げていく」といったセザンヌは、毎日僧侶が聖書を読むように、ミケランジェロの彫刻をデッサンしたという。そうまで苦しみながら、彼が自分の絵に表現したかったものは何だったのだろうか。彼の絵を「見る」ことにより、その世界をどう読みとればよいのだろうか。感性にひそむ論理は存在するのだろうか。 本書で、法則のない名画の世界の探索の仕方を考えてみよう。