なにをもって「人間の死」を判断するのか 古くから人間の死については、医師にとっても一般の人にとっても共通の常識的な判断があった。しかし、医学の進歩は「脳死」という、生と死についての新しい概念をもたらした。しかも、臓器移植の進歩が、脳死を人の死と認めるべきかどうかという問題を一般社会にも投げかけるようになった。そもそも脳死とはどういう状態を言うのだろうか、植物人間とどう違うのだろう? 脳神経外科の第一線で医療にたずさわる著者が長年の研究と経験をもとに、脳死に対する正しい考え方を明らかにする。