大阪・天満、油問屋の黄櫨屋(はぜや)は、人骨を使っての精油法を秘伝とし、天運来福、殷賑をきわめていた。人骨は、墓をあばいて集められたゆえ、骨にまつわる幾百、幾千の男女の怨霊は、黄櫨屋一門にとりつき、狂乱の渦に投げ込む。近親相姦、墓あばき、骨集め、惨殺など、戦慄の地獄絵図が、著者独自の幻想世界を構築する。
大坂天満の油問屋は人骨を使った精油法を秘伝として、殷賑を極めている。だが、墓を暴いて集められた骨にまといつく幾百、幾千の男女の怨念が一家を狂乱の渦に叩きこんだ……。著者初の時代長編小説。
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