芥川賞作家から官能小説作家へと進んだ大ベテランが、女体育教師の生態をユーモラスに描いた「あたし」小説ーーあたし、女子体育短大を出たばかりなんです。腕も腿も健康に張りきった、ピチピチの19歳なんです。就職難で卒業後、半年待機させられたけど、都下の中学・高校併設校に勤務することになったんです。でも、体育の先生って思っていたより、ずっと大変。保健体育の授業で、マセタ女生徒たち相手に男性自身を黒板に図解させられたり、体育館で何人もの男の先生たちに床(ユカ)運動ならぬ床(トコ)運動の特訓をさせられたり、結構、勤務はキビシイ。でも、ウブだったあたしも、おかげで女としてだんだん成熟してゆくみたい……。
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