善悪の彼岸
「みんながそうしているから」の「奴隷のモラル」を笑い飛ばせ! 新訳でよみがえった晴れやかなニーチェが贈る、人間への比類なき応援歌。
「怪物とたたかう者は、そのとき自分が怪物にならないよう用心するがいい。長いあいだ奈落をのぞいていると、奈落のほうもお前をのぞき込む」――。
有名なこの言葉が収められた『善悪の彼岸』は、1886年に自費出版で刊行されました。
「畜群社会」や、キリスト教道徳、神、真理など「既得権益としてのモダン」という巨大な敵に独り対峙しつづけたニーチェの言葉は、刊行から150年近くを経た今もなお、読む者の心を世界中で強く揺さぶり続けています。
「愛によってなされることは、いつも善悪の彼岸で起きる」
「思い上がった善意というものがある。それは悪意のように見える」
「自分自身を軽蔑する者は、いつもそのとき、軽蔑ができる自分を尊敬している」
「生と別れるときは、オデュッセウスが〔スケリア島の王女〕ナウシカアーと別れたときのようにするべきだ。――惚れているのに、というよりは、祝福する気持ちで」
これまでのイメージを覆す、晴れやかで軽やかなニーチェ訳に定評がある訳者がお届けする、21世紀の『善悪の彼岸』!
【本書の内容】
はじめに
第1部 哲学者たちの先入観について
第2部 自由な精神
第3部 宗教的なもの
第4部 格言と間奏
第5部 モラルの自然誌について
第6部 私たち学者は
第7部 私たちの徳
第8部 いろんな民族といろんな祖国
第9部 高貴とは何か?
高い山々から――後歌
訳者あとがき
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