今を生きる思想 ジョン・ロールズ 誰もが「生きづらくない社会」へ

著:玉手 慎太郎
定価:880円(本体800円)

社会のルールはどのように決めるべきか?

すべての人が納得できる正義はあるのか?

現代政治哲学の起点となった主著『正義論』を平易に読み解き、ロールズ思想の核心をつかむ!



【本書のおもな内容】

●「多様性を認めながら対立をなくす」ことのジレンマ

●ロールズが語った正義の構想は綺麗事なのか

●「力こそは正義」は根本的な誤解である

●画期的な思考実験「無知のヴェール」

●「誰もが納得する格差」はあり得るのか?

●自尊心がなければ自由になれない

●「正義は人それぞれ」と言っていられない理由

●現代的にアップデートされた社会契約論

●ロールズがたどり着いた「公正としての正義」



多様性の尊重と対立の回避のどちらかを諦めるのではなく、両方を取るためには、社会の構造(仕組みやルール)についての、何かしらの工夫が必要です。そして、そのような工夫を見つけ出すことこそが、ロールズの課題でした。『正義論』においてロールズが取り組んだのは、まさにこの問題、すなわち、人々が多様なアイデンティティをもっており、正義についても異なる意見を持っている、ということを前提にした上で、それでも正義が成立するとすればどのようなものとなるのか、という問題です。

はたして私たちは、社会の中の答えのない対立を、乗り越えることができるのか。その問題を解く手掛かりが、ロールズの『正義論』の中にあります。これから全四章に分けて、そのことをみなさんと一緒に見ていきたいと思います。――「はじめに」より



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