私の体がなくなっても私の作品は生き続ける
「見つめていると、鋭く激しく
妖しい心地になる桃紅さんの作品。
世界のどこにもない線と面でありながら、
世界のすべてがここにある」
ーー高樹のぶ子さん(作家)
「優しさや厳しさのなかの一本の線。
どのように引こうが私の一本。
生前にお会いしてみたかったな……
それが叶わぬ今、先生の作品に思いを馳せて」
ーー高岡早紀さん(俳優)
2021年に107歳で世を去った世界的美術家の
未公開作品をはじめて書籍化。
そこに見つけた、うつくしき「無限の無」。
美智子上皇后が人生を通して愛し続ける
「桃紅美術」の真髄が、この本に凝縮されている。
本書に収録されている作品は、
大半は桃紅氏が80歳を過ぎてからのものだ。
人生百年時代と言われるいま、
「どう老いるか」
「どう死ぬか」
「死んで何をのこすか」
は、すべての人の関心事となっている。
本書は、その問いに対する、
世界的美術家からの「答え」とも言える。
本書に掲載されている桃紅さんの言葉から、
ごく一部を抜粋する。
「一本の線の中に、その人の長年の修練したものや苦しんだものがこもっている」
「偶然できるものの偶然を待つ――自分以上のものを偶然に」
「自分たちのほうが優れている、自分たちのほうが一番だと思う心をなくす力はないのでしょうか」
「夢を見る人には価値があるし、見ない人にはなんの価値もない。絵というものは魔物ですよ」
「心中の『真に美しいもの』は、いつも逃げ水のように、少し彼方から私を招いている」
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