徳川時代の文学に見えたる私法

法制史の淵源には法的淵源と非法的淵源がある。非法的淵源はその正確の度において、法的淵源には及ばないところがあるが、非法的淵源には前者の欠けている点を補ったり、その実際の意義を解明するのに効用があると思われる。本書は、徳川時代の私法を当時の非法的淵源である文学作品によって、説明するところにある。特に、浄瑠璃(とくに世話物)と小説(とくに浮世草子)をその史料として扱う。また、その扱う史料は当時の上方(大坂)が舞台となることが多いので、その私法の実態はその地方に特有のものが多いかもしれない。また、時代的には貞享ー安政年間を扱うが、元禄ー安永年間のものが多い。

【目次】
一 動産質
二 動産抵当
三 人質
四 家質
五 手打
六 手附
七 売買
八 家借
九 地借
一〇 借株
一一 借金
一二 入札
一三 為替手形、振手形、預り手形
一四 分散
一五 元服
一六 婚姻
一七 離婚
一八 夫婦財産制
一九 養子
二〇 親権
二一 相続
二二 遺言
二三 隠居
二四 後見

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徳川時代の文学に見えたる私法

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