オッカム『大論理学』の研究
中世最大のスコラ哲学者であり神学者であるオッカム(1285~1348)の代表的著作『大論理学』を詳細に検討し、その根源へと迫る。「ある事を説明するために、必要不可欠以上の仮定をするべきでない」とする指針は、「オッカムの剃刀」として知られている。
【目次】
第1章 オッカムの概念論 フィクトゥム説からインテレクチオ説への変換
序 オッカムの概念論の基本的なテーゼ
1 第一問題 後期のオッカムはフィクトゥムを全面的に否定したのか
2 第二問題 なぜオッカムはフィクトゥム説からインテレクチオ説へと考えを変換したのか
3 第三問題 インテレクチオ説は,何か哲学的に新しい視点を与えてくれるのか
4 第四問題 インテレクチオ理論のみで,我々の認識全体を充分に説明できるか
5 第五問題 インテレクチオ説を反駁する有力な議論に対する私の反論
第2章 スコトゥスの個体化の理論に対するオッカムの批判
序 スコトゥスの個体化の理論
1 オッカムの批判(I)形相的区別に対するオッカムの批判
2 オッカムの批判(II)スコトゥスの個体化の理論の内部の矛盾
3 オッカムの批判(III)スコトゥスの理論は哲学の基本的ルールに反する
4 「スコトゥスの存在論」対「オッカムの存在論」
5 コペルニクス的転回 多くの個物に内在する共通本性の否定
第3章 代示の理論の歴史的発展過程におけるオッカムの位置
1 はじめに
2 オッカム以前の代示の理論
3 オッカムの改革
4 オッカムの改革の理由
補遺 倉持氏の質問に答えて
第4章 オッカムの個体代示についての解釈
序 オッカムの個体代示の理論に対する相反する解釈
1 プリーストとリード達の解釈と,コルコランとスウィニアルスキー達の解釈のどちらが適切であるか
2 プリーストとリードの自己弁護は正当であるか(I)
3 プリーストとリードの自己弁護は正当であるか(II)
補遺 特称否定命題の述語が,周延的不特定代示を持つことに伴う難点の解決に関する清水氏の提案
関連テキスト:翻訳と註解
第1章
第11章
第12章
第16章
第17章
第63章
第64章
第66章
第70章
第71章
第73章
第74章
訳者註解
あとがき
参考文献
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