サン=テグジュペリの世界 〈永遠の子ども〉の生涯と思想
☆それが〈目に見えないたいせつなこと〉だったのか。☆
「星の王子さま」を生み出した思想とは?
波乱の生涯と作品世界をつなぐ決定的評伝。
サン=テグジュペリは、言わずと知れた『星の王子さま』の作者です。
この子ども向けの小さな物語は、いまもなお世界中の多くの人びとが読み続け愛し続けていますが、その魅力の秘密はどこにあるのでしょうか。
この作品でくりかえし語られる〈目に見えないたいせつなこと〉とはいったい何なのでしょうか。
サン=テグジュペリは、自分の子ども時代を忘れることができなかった、おとなになりきることができなかった人間と言えるでしょう。
彼は、おとなの世界にほかならないこの現実社会を、つねに居心地の悪さ、窮屈さを感じながら、いわばよそ者として、不器用に生きねばなりませんでした。
失敗と挫折、混乱や波瀾に満ちたサン=テグジュペリの生涯は、どこかドタバタ喜劇めいており、それ自体として見ても面白いものです。
ですが、彼自身はこうした人生を懸命に生きることを通して、おとなの世界である現実社会、近代という時代にたいする批判意識を研ぎ澄ましていました。
そして同時に、みずからの内面空間そのものとしての子ども時代の世界のヴィジョンを明確化していったのです。
本書は、こうしたまったくあたらしい視点から書かれた、『星の王子さま』『夜間飛行』をはじめとする作品群の世界をより深く味わえるようになる、サン=テグジュペリの評伝の決定版です。
[本書の内容]
はじめに
第一章 子ども時代(一九〇〇―一九一二)
第二章 青春の惑い(一九〇九―一九二六)
第三章 飛行士にして作家(一九二六―一九三一)
第四章 波瀾の時代(一九三一―一九三九)
第五章 戦争(一九三九―一九四〇)
第六章 亡命(一九四〇―一九四三)
第七章 最後の任務(一九四三―一九四四)
おわりに
サン=テグジュペリ略年譜
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