近代自由思想の源流 16世紀自由意志学説の研究

アウグスティヌス以来の自由意志論の発展を原典により跡づけ、近代的自由の原型を見事に解明した画期作。

【目次より】
序章 近代的自由の理念
1 中世末期と近代初期との連続性と非連続性 2 近代的人間の特質 3 自由の消極性と積極性 4 近代自由論の問題点
第一章 中世自由意志学説の発展
1 アウグスティヌス 2 ボエティウス 3 アンセルムス 4 ベルナール、ロンバルドゥス、ボナヴェントゥラ
5 トマス・アクィナス6 ドゥンス・スコトゥス 7 エックハルトとタウラー
第二章 オッカム主義の自由意志学説
1 オッカムの自由論 2 ガプリエル・ビールの自由意志学説
第三章 ルターとオッカム主義の伝統
1 オッカム主義の影響 2 オッカム主義の契約神学の受容と超克 3 自由の消極性と積極性
第四章 ルターのスコラ神学批判の視点
1 アウグスティヌス『霊と文字』の受容過程 2 新しい神学とスコラ神学批判
第五章 イタリア・ヒューマニズムの自由意志論
1 ペトラルカとルネサンスヒューマニズム 2 ヴァッラ 3 フィチーノ 4 ビコ・デラ・ミランドーラ 5 ルフェーヴルとコレット
第六章 初期エラスムスの思想形成
1 ヒューマニズムの神学 2 『ニンキリディオン』の人間学 3 情念論および神学的方法論 4 意志の無記性と自由
5 philosophia Christiの確立 6 哲学的神学の根本命題 7 キリスト論の特質
第七章 エラスムスの自由意志学説
1 『ロマ書注解』から『評論・自由意志』へ 2 自由意志の定義 3 人間の創造と堕罪 4 自由意志を排除しない必然性
5 契約神学の問題 6 恩恵と自由意志の共働説 7 キリスト教ヒューマニズムの特質
第八章 ルターと神学的決定論
1 神学的決定論についての疑義 2 隠れたる神と絶対的必然性 3 神の全能と自由意志との矛盾的対立
4 恩恵を受容する能力としての自由意志 5 不変の必然性と強制的必然性 6 人問学的比較考察
第九章 エラスムスによる再批判
1 『ヒペラスピステス』第一巻 2 自由意志の定義に対する弁護 3 モアヘの手紙 4 『ヒペラスピステス』第二巻 5 恩恵の受容力としての自由意志
第十章 近代自由意志学説の発展
1 ツヴィングリ 2 メランヒトン 3 カルヴァン 4 トリエントの公会議 5 パスカルとデカルト 6 ライプニッツ 7 カントと近代的自由思想の完成
あとがき
索引(人名・事項)
資料と参考文献

近代自由思想の源流 16世紀自由意志学説の研究

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