自由の論法(自由学芸叢書) ポパー・ミーゼス・ハイエク
科学的自由主義者たち(ポパー、ミーゼス、ハイエク)は、社会主義批判を核として、強力な論理構造を配備した。新しい時代の社会科学は、彼らの議論を批判的に乗り超えていかねばならない。本書は、20世紀における社会科学方法論を、思想闘争に対する問題解決という観点から問い直し、新たな自由の論じ方を豊かに提示する現代自由学芸の騎士による挑戦の書である。方法論が思想の機能を担う「方法の思想負荷およびその「脱思想化過程」という分析手法を用いて、資本主義と社会主義のシステム選択という経済思想の大論争に、斬新なメスを入れる。
【目次より】
まえがき
序章 科学の時代
一 問題精神としての科学
二 科学的自由主義の成立
三 体制問題をめぐる知性史をどう捉えるか
四 社会科学の転換点
五 以下の議論の構成について
第一部 方法の思想負荷性
第一章 方法論の理論
一 問題としての方法
二 方法論とは何か
三 方法論の機能分析
a 第一類型 正当化 b 第二類型 発見法 c 第三類型 領域設定 d 第四類型 自己了解 e 第五類型 限界論 f 第六類型 価値操作
四 方法の思想負荷性
第二章 思想負荷性の解釈
一 ポパー
二 ミーゼス
三 ハイエク
第三章 社会主義経済計算論争における方法の思想負荷性
一 論争の標準的解釈とD・ラボアの再解釈
二 論争の代替的整理
三 方法論との関係
第四章 反《歴史主義》方法論の内在的批判
一 ポパー批判
二 ミーゼス批判
三 ハイエク批判
第五章 方法から思想へ
第二部 負荷される思想の分析
第六章 個人主義の位相
一 方法論
二 社会論
三 思想
第七章 合理主義と功利主義
一 批判的合理主義
二 実践的合理主義と功利主義
三 反合理主義
第八章 政治経済の政策認識
一 部分社会工学
二 社会工学批判
三 介入主義
第九章 自由主義
一 自由の意味
二 ハイエクの自由論
三 自由の成長論
注
あとがき 残された課題
参考文献
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