日本印刷文化史

編:印刷博物館
定価:2,200円(本体2,000円)

日本において「印刷」は、社会に、文化にどのような役割を果たしてきたのか。最古の現存印刷と言われる、『続日本紀』にも記された法隆寺の「百万塔陀羅尼」(770)から始まり、木版、金属による活版、写真植字機の誕生、現代のコンピューター組版まで、1200年を超えて発展し続ける印刷の歴史を、個人の趣味・鑑賞から出版業の誕生、マスコミへの発展、行政・教育・学術に果たした役割を通し、技術の変遷・発展とともに体系立てて振り返る。印刷博物館創設20周年記念出版。

序論――学としての印刷文化を目指して
1部 古代
1章 奈良時代に始まった日本の印刷
2章 平安時代の印刷――ミッシング・リンク、宋版輸入、仏教版画

2部 中世
3章 鎌倉時代の印刷――本格化する寺院の開版
4章 五山版と武士による印刷の広がり

3部 近世
5章 朝鮮出兵――朝鮮伝来活字はなにをもたらしたか
6章 徳川家康を中心とする印刷・出版合戦
7章 嵯峨本と近世木活字版
8章 京都・大坂・江戸 三都出版物語
9章 印刷が広げた江戸時代の行動文化――旅を助けた書物、版画、摺り物
10章 諸学の発展と教育の広がり
11章 学問の進展と印刷――本草学から植物学へ
12章 鎖国と行列――オランダ、朝鮮、琉球、アイヌ
13章 改暦と印刷
14章 江戸の三大改革と印刷――為政者と庶民の関係から

4部 近代
15章 開国から明治維新へ――新時代のイメージを広げた図版印刷
16章 戊辰戦争、そして明治政府による改革へ――幕末明治の活字文化
17章 「描く技術」を伝える
18章 資本主義社会と大衆文化の成立――大正時代の印刷
19章 戦時における印刷の功罪

5部 現代
20章 高度経済成長と素材のバリエーション
21章 大量消費社会と印刷――効率化と標準化の時代
22章 日本の図書館の歴史

コラム「天正少年使節は木製印刷機をはこぶ」「和装本から洋装本へ」ほか
印刷のワザとモノ――日本印刷史の基礎知識――

日本印刷文化史

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