七月に流れる花

著:恩田 陸
定価:627円(本体570円)

坂道と石段と石垣が多い町、夏流に転校してきたミチル。
六月という半端な時期の転校生なので、友達もできないまま夏休みを過ごす羽目になりそうだ。
終業式の日、彼女は大きな鏡の中に、緑色をした不気味な「みどりおとこ」の影を見つける。
思わず逃げ出したミチルだが、手元には、呼ばれた子どもは必ず行かなければならない、夏の城―夏流城での林間学校への招待状が残されていた。
ミチルは五人の少女とともに、濃い緑色のツタで覆われた古城で共同生活を開始する。
城には三つの不思議なルールがあった。

鐘が一度鳴ったら、食堂に集合すること。
三度鳴ったら、お地蔵様にお参りすること。
水路に花が流れたら色と数を報告すること。

少女はなぜ城に招かれたのか。長く奇妙な「夏」が始まる。

七月に流れる花

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