天皇の歴史10 天皇と芸能

著:渡部 泰明 著:阿部 泰郎 著:鈴木 健一 著:松澤 克行
定価:1,430円(本体1,300円)

天皇の権威の源泉は、〈芸能〉にあった。『古今和歌集』をはじめとする勅撰和歌集は、なぜ二十一代も編纂されたのか。そして、「和歌」の伝統は戦乱の世をいかに乗り越えたのか。今様の後白河院、琵琶の後鳥羽院など、「声わざ」と管弦に生きた「芸能王」の系譜とは。立花の後水尾院や、茶の湯の後西院など、諸芸を愛好し、和漢の学問に励んだ天皇の姿からは、日本文化の深層と、その伝統形成の歴史が見えてくる。


講談社創業100周年記年企画として刊行され、高い評価を得たシリーズの学術文庫版、第10巻。最終回配本となる本巻では、古代から近世まで、和歌や音楽、学問、茶の湯など、「芸能」が天皇と日本の歴史の中でいかに大きな意味を持っていたかを解明してく。
第一部は、10世紀初頭の『古今和歌集』から500年続いた二十一代の勅撰和歌集を縦糸に、古代・中世の天皇による多彩な和歌の活動を解説。
第二部は、今様の後白河院、琵琶の後鳥羽院など、「声わざ」と管弦に長じた「芸能王」の系譜をたどり、皇位継承と秘曲伝受の密接な関係を解明する。
第三部は、戦乱の時代を乗り越えて、古今伝受など近世和歌がいかに復興し、継承されたかを見ていく。
第四部は、天皇家における漢学の尊重、立花の後水尾院、茶の湯の後西院など、諸芸を愛好し、和漢の学問に励んだ天皇と、日本の伝統文化の深層を探る。
[原本:『天皇の歴史 10巻 天皇と芸能』講談社 2011年刊]

天皇の歴史10 天皇と芸能

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