いわさきちひろ名作絵本 はくちょうのみずうみ
らっぱが高らかになって、またひとり、王女がはいってきました。
「オデッタ、きてくれたのですね。」
ジークフリートは、まっ黒なドレスをきた王女にはしりよると、さけびました。
「わたしのおきさきは、このひとです。」
「きまったぞ、あたらしいおきさきが。」
ひとびとがよろこびのこえをあげたとき、
窓のそとで、かなしげな声がしました。
「ジークフリートさま、
あなたは悪魔にだまされたのです。
オデッタはここにいます。」
チャイコフスキー音楽の名作『はくちょうのみずうみ』。
時代を超えて愛され続けてきた、いわさきちひろの名作えほんシリーズから、
人気の『はくちょうのみずうみ』が、
名久井直子の装丁でかわいいサイズの絵本になりました。
美しくはかない白鳥のむすめたち、
おそろしい悪魔に立ち向かう王子などを描いたさし絵はやさしくも迫力があり、
ページをめくる手がとまりません。
童話作家の立原えりかの端正な日本語でつづる物語は
明るい結末となっており、小さい子どもたちへの読み聞かせにもぴったり。
手元においてときどきながめたくなる特別な1冊です。
*オールカラー 12点の絵を収録
*すべての漢字にふりがなつき
*本書は『いわさきちひろ・おはなしえほん(2)はくちょうのみずうみ』(1984年刊行)を新装・改訂したものです。
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