吉田松陰著作選 留魂録・幽囚録・回顧録
幕末動乱の時代、倒幕、維新を実現する長州藩の若者たちの多くが学んだ松下村塾。明治維新の精神的理論の支柱と称され、至誠と行動を貫徹した吉田松陰の思想とはなにか? 本書は、『幽囚録』『対策一道』『愚論』『回顧録』『急務四条』をはじめとする松陰の代表的な著作の原文に、平易な現代語訳を添えて丁寧な解説を施す。時代を変革する先駆者の思想の全貌を、本人の著述にもとづいて描き出した、必読の一冊。
幕末の動乱期、至誠と行動に生き、維新の原動力となった変革者の思想
身はたとひ
武蔵の野辺に朽ちぬとも
留め置かまし大和魂
至誠にして動かざる者は未だ之れ有らざるなり――。幕末動乱の時代、久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文ら、倒幕・維新を実現する人材を育てあげ、明治維新の精神的理論の支柱と称された長州藩士、吉田松陰。『幽囚録』『対策一道』『回顧録』などの代表的著述に丁寧な語釈と平易な現代語訳を施した原典を通して迫る、至誠と行動を貫徹した時代の変革者の思想。
松陰は、彼自身、決して文章を飾ろうという意志などはなかった。むしろ高杉晋作などがあまりに名文を書くと、それを戒めるくらいであった。しかし、彼の自分を飾らない文章、そして何事をも一生懸命に考えて書く心の文章は、なかなかの名文章であるといってよいのである。それは、数多くの書簡、あるいは『留魂録』などを読めば解るであろう。――<「あとがき」より抜粋>
※本書の原本は、1969年5月、筑摩書房より「日本の思想」第19巻『吉田松陰集』として刊行されました。なお、原本所収の「講孟余話(抄)」は割愛しました。
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